グリーン調達 【green procurement】
概要
グリーン調達(green procurement)とは、企業などが製品の原材料や部材を調達するにあたり、環境負荷の低い製品を選択すること。特に、条約や各国の法律などで規制されている特定の化学物質を含まない製品や、製造工程で有害化学物質を使用・排出しない製品を優先的に選択すること。グリーン調達における環境への配慮には、製造・流通工程における二酸化炭素(CO2)排出量の削減や省資源・省エネルギーなど主にCSR(企業の社会的責任)の観点から求められるものと、規制化学物質の削減や排除など法令適合(コンプライアンス)やリスク管理の観点から必要となるものがある。
グリーン調達調達を実施している企業などは独自の調達基準を策定し、調達元に対して特定の物質の使用を控えるよう求めたり、原料や部材に含まれる物質の種類や含有量の報告を求めたり、環境関連の認証・資格の取得を求めたりしている。
工業製品に含まれる化学物質の規制は国や地域により異なるため、グローバルに活動する製造業では生産国で問題にならない物質が販売国の規制に抵触するといった問題が生じることがある。各社がグリーン調達を推進するのは単にCSR対応や企業イメージの向上などのためだけでなく、こうした問題に対応するためでもある。
似た概念として、主に国や自治体、消費者などが最終製品を購入する際に環境負荷の低い製品を積極的に選ぶことを「グリーン購入」というが、グリーン調達をグリーン購入の同義語として用いることもある。
(2022.8.7更新)