コモディティ化 【commoditization】 commodification
概要
コモディティ化(commoditization)とは、各生産者ごとの製品の特徴の違いが次第に失われ、均質化・均等化していくこと。生産者による違いが見られない商品のことを「コモディティ」(commodity)という。工業製品などでよく見られる現象で、当初は各社が製品の機能や性能、特徴の違いを積極的に打ち出して競争していたが、様々な要因によりメーカーごとの違いが失われ、どこも同じような製品を生産・販売するようになる状況を意味する。
コモディティ化した商品の市場では消費者・需要者側にとっては商品そのものは「どこから買ってもほとんど同じ」で、違うのは価格や納期ぐらいであるため、激しい価格競争が起こり利益率が低下することが知られている。
コモディティ化が起こるのは、技術が成熟して機能や性能、品質の大幅な向上・改良が見込めなくなった場合や、製品や要素技術の規格化が進んで独自の仕様や技術の採用が難しくなった場合、法律や制度、基準、規制などが厳しくなり、これに適合するように設計すると独自性を盛り込む余地がほとんどない場合などがある。
IT業界でよく知られる事例にはパソコンがある。1980年代の初期の市場では各メーカーが個別仕様の機種を開発し、機能や性能、特色を競い合っていたが、ハードウェアが「PC/AT互換機」に、OSが「MS-DOS」や「Windows」に収束すると、各社は標準仕様から逸脱した製品を開発しにくくなり、独自路線を貫き続ける米アップル(Apple)社の「Mac」シリーズを除いてほぼコモディティ化した。
(2024.8.19更新)