死の谷
概要
死の谷とは、企業における技術経営(MOT)上の概念の一つで、新技術の製品開発から事業化に繋げる困難さのこと。出川通氏が2004年の著書「技術経営の考え方 ~MOTと開発ベンチャーの現場から」で提唱した。企業の新技術応用における開発段階と事業化段階を分かつ障壁で、製品開発から実際に製品発売やサービス開始に漕ぎ着けるまでの困難さを表している。製品であれば調達や生産、流通の手配を整えなければならず、巨額の資金が必要となる。失敗したときの痛手の大きさを深い谷になぞらえている。
氏は企業が新たな技術を研究し、産業として成立させるまでの過程を「研究」「開発」「事業化」「産業化」の4段階に分けて分析した。死の谷の前段階で、研究から開発に繋げる困難さを「魔の川」、後段階で、製品の市場投入から産業としての確立に繋げる困難さを「ダーウィンの海」と呼んでいる。
(2025.1.15更新)