ワークサンプリング法 【work sampling method】
概要
ワークサンプリング法(work sampling method)とは、作業時間や機械の稼働率などを見積もる手法の一つで、無作為抽出(ランダムサンプリング)などで決めたタイミングで現場の状況を一定回数だけ繰り返し観察・観測し、得られた結果を統計的に処理して全体の状況を推測する方式。観察者は一定間隔あるいはランダムな間隔で現場に赴き、その瞬間に作業者が何をしているかや機械の稼働状況などを記録する。この作業を推計に必要な回数だけ繰り返し、蓄積された記録を分類して各状態の構成比率などを計算する。
例えば、A・B・Cの3工程からなる作業の様子をランダムに100回観察したとき、作業者がAに従事していたのが20回、Bが30回、Cが50回だった場合、全工程にかかる時間のうちA工程に2割、Bに3割、Cに5割の時間がかかっていると見積もることができる。
一方、ある期間の状況をすべて観察、記録して、必要な値を直に算出する手法を「連続観測法」という。ワークサンプリング法は連続法に精度では敵わないものの、観測にかかる人員や手間、コストを大きく削減することができる。また、標本の抽出をランダムではなく一定周期や毎日決まった時刻など規則的に行う手法のことは「一定時刻法」と呼ぶこともある。
(2021.4.30更新)