ダーウィンの海
概要
ダーウィンの海とは、企業における技術経営(MOT)上の概念の一つで、新製品の事業化から産業化へ至る困難さのこと。出川通氏が2004年の著書「技術経営の考え方 ~MOTと開発ベンチャーの現場から」で提唱した。市場に投入された新製品や新サービスが既存製品や競合他社との競争、消費者や想定顧客の認知や購入の壁、顧客の評価などに晒されながら、市場に定着する困難さを表している。市場で行われる製品や企業間の生存競争や淘汰、環境への適応といった過程をダーウィンの進化論に重ね合わせた表現である。
氏は企業が新たな技術を研究し、産業として成立させるまでの過程を「研究」「開発」「事業化」「産業化」の4段階に分けて分析した。ダーウィンの海の前段階で、研究から開発に繋げる困難さを「魔の川」、開発から事業化に繋げる困難さを「死の谷」と呼んでいる。
(2025.1.15更新)