セグメント 【segment】
概要
セグメント(segment)とは、部分、断片、分割する、などの意味を持つ英単語。全体をいくつかに分割したうちの一つ一つの断片や区分のことを指す。分割する操作(細分化)のことは「セグメンテーション」(segmentation)ともいう。全体を何らかの規則性や必然性に基づいて分割した断片のことを意味する。類義語には「パート」(part)、「フラクション」(fraction)、「フラグメント」(fragment)、「セクション」(section)、「セクタ」(sector)、「ポーション」(portion)などがある。
ネットワークセグメント
コンピュータネットワークをある基準に基づいて分割した範囲のことを「ネットワークセグメント」(network segment)あるいは単に「セグメント」ということがある。
イーサネット(Ethernet)などのネットワークでは、物理的に同じ信号が届く範囲の機器のグループを指すことが多く、複数の機器が同じ配線を共有する「コリジョンドメイン」や、一斉配信の信号が届く範囲である「ブロードキャストドメイン」のことをセグメントと呼ぶことが多い。
構内ネットワーク(LAN)における物理的な範囲だけでなく、IPアドレスの領域を分割した範囲などを指すこともあり、「セグメント」だけでは何に基づく範囲を指すのか自明ではない。現代ではLAN内でルータを介さず通信可能な範囲を指すことが多い。
市場セグメント・顧客セグメント
ビジネス分野では、企業が事業の対象とする市場や顧客について、ある属性について同じ性質を共有している集団に区分したものを「市場セグメント」(マーケットセグメント)、「顧客セグメント」(カスタマーセグメント)という。
製品開発やマーケティングの分野でよく用いられる概念で、同じような特徴を持つ対象を一括りにし、それぞれに適した効果的な施策を検討するために利用される。市場や顧客全体をセグメント分けしたうち、自社が事業の対象として向き合うと決めたセグメントのことを「ターゲットセグメント」という。
事業セグメント
企業などの事業全体を性質の違いに基いていくつかに区分けした分類のことを「事業セグメント」という。主に財務・会計上の分類として用いられるもので、業績評価や経営資源の配分の対象となり、お金の流れをそれぞれ分けて認識できるような単位が用いられる。
1セグメント放送
地上デジタル放送の技術規格では一つの無線周波数チャンネルを13の「セグメント」という周波数帯に均等に分割し、このうちの幾つかを束ねて一つの放送データの流れを伝送している。13セグメントのうち特定の一つは携帯機器向けの低画質の放送向けに予約されており、これを利用した放送を「1セグメント」放送、略して「ワンセグ」と呼ぶ。
固定受像機向けに残りの12セグメントをすべてを使ってHD画質(ハイビジョン/HDTV)の映像を送信することを「フルセグメント放送」(フルセグ)という。6セグメント×2、あるいは4セグメント×3に分割し、2つまたは3つの異なる番組をSD画質で同時に流すこともできる。