インスタントメッセンジャー 【IM】 Instant Messenger / インスタントメッセージ

概要

インスタントメッセンジャー(IM)とは、インターネットなどの通信ネットワークを介して、利用者間でリアルタイムに短いメッセージのやり取りができるソフトウェア。そのようなシステムサービスのことは「インスタントメッセージ」「インスタントメッセージング」などと呼ばれる。

メールアドレスなどを利用して同じソフトウェアを利用している「友人」を登録すると、画面上に友人のリストが表示され、現在ソフトを起動中の人が目印などで分かるようになる。その中から一人を選んで通信を開始すると、短い文字メッセージリアルタイムに交わして「会話」することができる。

当初は友人の状態表示と短文のやり取りというシンプルなシステムだったが、絵文字や画像の添付ファイルの送受信、音声通話、ビデオ通話、3人以上の集団での会話など様々な機能を追加したソフトウェアが現れるようになり、チャットシステムやインターネット電話、SNSアプリなどとの境目が曖昧になっていった。

当初から各ソフトウェアサービスが独自の技術仕様や通信プロトコルを使用しており、XMPPなど標準化の動きはあったが普及せず、相互に通信できない状況が現在も続いている。各社が独自機能で利用者を囲い込み収益基盤としたい思惑が働いていることや、国によって優勝劣敗が明らかになりやすく、支配的な事業者が排他的な事業運営に傾きやすいことなどが背景にある。

携帯電話には加入者間で短文を送受信できるよく似たシステムとしてSMSショートメッセージサービス)が提供されており、スマートフォン時代になって一つの端末上で両方が利用できるようになったこともありよく混同されるが、別の技術基盤に基づくもので互換性はない。

歴史

1990年代後半のインターネット普及期には主にパソコン上で利用するICQやAIM(AOL Instant Messenger)、日本ではYahoo!メッセンジャーなどが広まった。2000年代半ばになると音声通話に起源を持つSkypeや、Windowsに同梱されて普及したMSNメッセンジャー(Windows Liveメッセンジャー)などが台頭した。

2010年代にはコミュニケーションの中心がパソコンからスマートフォンへ移っていき、LINE(日本など)、カカオトーク(韓国など)、WhatsApp(北米・西欧など)、微信/WeChat(中国)、Telegram(ロシアなど)など、国や地域ごとに人気のサービスが別れている。また、Facebook MessengerやTwitterダイレクトメッセージDM)、Instagram Directなど、SNSサービスに付属するメッセンジャーサービスが広く利用されるようになっている。

(2018.3.28更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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