半角カナ 【半角片仮名】 half-width katakana / 半角カタカナ
1960年代にメーカー間で共通の文字コードを使用できる標準規格として7ビットのASCII(American Standard Code for Information Interchange)が制定されたが、収録されたのは128文字(0~127番)の制御文字、アルファベット、数字、記号文字で、日本語など各言語固有の文字は使用できなかった。
そこで、ASCIIに1ビットを追加して8ビット(1バイト)とし、増えた128文字に言語固有の文字を追加する方法がヨーロッパや日本で採用された。日本ではJIS規格のJIS X 0201が1969年に制定され、161番(16進数でA1)の「。」(半角句点)から223番(同DF)の「゚」(半角半濁点)まで63文字の日本語文字・記号が収録された。片仮名や句読点(、。)、鉤括弧(「」)、濁点(゙)、半濁点(゚)が含まれ、現在ではこれらを指して半角カナと呼ぶ。
半角カナという呼称
初期にはこれが日本語文字を入出力、記述する唯一の手段だったため半角カナという呼び方はしなかったが、後に漢字やひらがななど多数の日本語文字を扱う方式が普及し、それらを「全角文字」と呼んだことから、初期の片仮名文字を区別するために半角カナという呼称が広まった。
当時はコンピュータで文字を表示・印刷する際、大きさや形の決まった領域に記す方式が一般的で、日本語文字は幅と高さが等しい正方形の領域に、ASCII文字や初期の片仮名などは幅が高さの半分の縦長の長方形の領域に記したことから、前者を「全角文字」、後者を「半角文字」と呼んで区別した。
現代の半角カナ
その後、各言語の文字を収録した統一文字コード規格の「Unicode」(ユニコード)が制定されたが、半角カナも “Halfwidth Katakana” の呼称でU+FF00~U+FFEFの領域に採録されたため、現在でも全角カナとは別に半角カナを使い続けることができる。
全角文字が不自由なく使用できる現代では積極的に使用する場面は少ないが、古くにコンピュータ化が進んだ銀行など金融機関の情報システムでは現在でも日本語の入出力が半角カナに限定されるケースがある。また、インターネットなどでは俗に、アスキーアートや顔文字のパーツとして使用したり、古い時代のコンピュータ表示を示唆したいときなどにわざと半角カナで表記することがある。