アクチュエータ【actuator】

概要

アクチュエータとは、外部から供給されるエネルギーと制御信号を受け取り、物理的な運動や力に変換する機械部品の総称。機械や装置の可動部分に組み込まれ、電気や空気圧、油圧などのエネルギーを動力源として、伸縮や回転、旋回といった動きを生み出す。人体に例えれば筋肉に相当する存在であり、センサーや制御装置とともに自動制御システムを構成する要素の一つである。
アクチュエータのイメージ画像

動力源の違いにより、電動式、空気圧式、油圧式などの種類に大別される。電動式は電磁モーターやソレノイドを用いるもので、制御がしやすく精密機械や家電製品に広く組み込まれている。空気圧式は圧縮空気によって高速かつ柔軟な動作を行い、製造・生産設備などで多用される。油圧式は高圧の作動油を利用して強大な出力を発揮し、建設機械や工作機械などに用いられる。

生み出す運動の形式としては、モーターのような回転運動と、シリンダーのような直線運動(伸縮)がある。これらを組み合わせることで、旋回や屈曲、開閉など複雑な動作も実現できる。パワーショベルのアームや船舶の舵のように大きな力を必要とする大型装置から、精密機器や医療機器、人型ロボットの指関節のように微細な制御を要する小型装置まで、様々な用途に対応した種類がある。

制御方式の面では、レバーやスイッチを介して人間が直接操作するものと、電子回路やコンピュータからの電気信号を受けて自動で駆動するものとに分かれる。現代の産業用機器や自動化設備では後者が主流であり、センサーが検知した情報をもとに制御プログラムやAIシステムが判断を下してアクチュエータを動かす仕組みが広く採用されている。

位置センサーやエンコーダーなどの測定装置を内蔵してフィードバック制御を行うものは「サーボアクチュエータ」(servo actuator)と呼ばれ、産業用ロボットや半導体製造装置など高い位置決め精度が求められる用途に利用されている。近年では、圧電素子や形状記憶合金を用いた微細なアクチュエータも実用化されており、自動運転車やドローンなど新たな分野への応用も進んでいる。

(2026.6.9更新)
 

他の辞典等による「アクチュエータ」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「アクチュエータ」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
【令4】 水田の水位を計測することによって、水田の水門を自動的に開閉するIoTシステムがある。図中のa, bに入れる字句の適切な組合せはどれか。
【令3】 IoTデバイスとIoTサーバで構成され、IoTデバイスが計測した外気温をIoTサーバへ送り、IoTサーバからの指示で窓を開閉するシステムがある。
【令2秋】 IoTデバイスとIoTサーバで構成され、IoTデバイスが計測した外気温をIoTサーバへ送り、IoTサーバからの指示でIoTデバイスに搭載されたモータが窓を開閉するシステムがある。
▼ 基本情報技術者試験
【令3修6/平29秋】 アクチュエータの機能として,適切なものはどれか。
【令2修12/令1修7/平30春】 アクチュエータの説明として,適切なものはどれか。
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。