LGPL 【Lesser GPL】 Library GPL
概要
LGPL(Lesser GPL)とは、GNUプロジェクトがフリーソフトウェア(自由なソフトウェア)のために定めた利用許諾条件(ライセンス)の一つで、主にライブラリなど他のプログラムからリンク(連結)される形で使用されるソフトウェア向けのもの。GNUプロジェクトでは開発したソフトウェアを「GPL」(GNU General Public License)というライセンスに基づいて公開しており、誰でも自由に入手や使用、改変、再頒布(販売を含む)などを行うことを認めている。
GPLでは元のソフトウェアを改変したり、自作のソフトウェアの一部に組み込んだ場合、それら派生的なソフトウェアにもGPLを適用してソースコードを公開しなければならない「コピーレフト」(copyleft)と呼ばれる考え方を採用しており、ライブラリなど部分的な機能しか提供しないプログラムを組み入れるだけでもソフトウェア全体を公開しなければならなかった。
LGPLではこの条件が緩和されており、LGPLを適用したプログラムを実行時に動的リンク(ダイナミックリンク)してその機能を呼び出す場合、リンク元のソフトウェアには同じLGPLを適用しなくてよい。商用ソフトウェアのように本体部分のソースコードを非公開としたり再配布などを制限することができる。
ただし、リンク元のプログラムのライセンスにリバースエンジニアリングを禁じる条項は設けてはならないと定めており、商用利用などで問題となることがある。また、開発時に実行ファイルを一体化してしまう静的リンク(スタティックリンク)を行う場合には、GPL同様、本体側にもLGPLを適用しなければならない。
最初のバージョンは1991年にGPL 2.0と共に「Libary GPL 2.0」(GPLにバージョンを揃えたため1.xは存在しない)として公開されたが、適用対象はライブラリに限定されないため1999年のバージョン2.1で「Lesser GPL」に名称変更された。
(2021.12.7更新)