OpenJDK 【Open Java Development Kit】
概要
OpenJDK(Open Java Development Kit)とは、Java言語でソフトウェア開発を行うのに必要なツールを一つにまとめたオープンソースのパッケージ。Javaの権利を所有する米オラクル(Oracle)社とJava開発者コミュニティによって開発・配布されている。Javaプログラムの言語処理系を構成するコンパイラ(javac)やデバッガ(jdb)、アーカイバ(jar)、Javaプログラムの実行環境(JVM)などが含まれる。ほとんどのソフトウェアは実行可能形式のコマンドラインツールとして提供されており、シェルやコマンドプロンプトからコマンド名とオプション、自ら開発したプログラムのファイル名などの引数を指定して実行する。
コードエディタやビルドツール、IDE(統合開発環境)などは付属しておらず、Javaプログラム開発を始めるために必要最低限のソフトウェアのセットとなっている。Javaに対応したIDEなどの中には自らはコンパイラなどを持たず、内部的にOpenJDKに含まれるコマンドを呼び出すようになっているものもある。その場合、IDE本体に加えてOpenJDKを別途導入する必要がある。
Oracle版JDKとの関係
1990年代からJava言語を開発していた米サン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems)社(当時)は公式の開発キットとして「JDK」(Java Development Kit)を開発・公開していた。これは無償で入手・利用できるがオープンソースではなかった。
2007年に同社はJavaをオープンソース化する方針に転換し、オープンソースソフトウェアのみで構成されたOpenJDKが新たに開発・公開された。OpenJDKに含まれるソフトウェア群はGPL(GNU General Public License)に基づいてソースコードが公開されている。
以降も、同社および同社を買収してJava関連の資産を受け継いた米オラクル(Oracle)社では、自社版のJDKを開発・配布し続けている。内容の大半はOpenJDKと同じだが、一部のツールに同社などが開発した、「無償で利用できるがオープンソース化はされていない商用ソフトウェア」が含まれている。