ディープラーニング【deep learning】深層学習

概要

ディープラーニングとは、ニューラルネットワーク(NN:Neural Network)を用いた機械学習システムのうち、中間層(隠れ層)が複数のシステムを利用するもの。広義にはこれをNN以外の手法に応用したもの(深層強化学習など)を含む。画像処理に強く精度が高いため近年急激に注目が高まっている。
ディープラーニングのイメージ画像

ニューラルネットワークは動物の脳の仕組みを模した学習する機械の数学的なモデルで、データの入力、単純な計算、出力を連続して行うノードを脳神経(ニューロン)に見立て、これを大量に用意して網状に相互接続した構造となっている。

ノードは層状に配置され、外部から入力層ノード群がデータを受け取り、計算を行って結果を中間層に伝達し、中間層も同様に計算を行って出力層に伝達、出力層から結果が出力される。学習データを用いて計算や伝達に用いるパラメータを調整すると、推論や予測、分類などを行うシステムを構成することができる。

1950年代の研究初期に提唱されたニューラルネットワークノード群を入力層中間層出力層の3層に配置した構造だったが、1990年代に複数の中間層を設けて全体を4層以上の深さにした「ディープニューラルネットワーク」(DNN:Deep Neural Network)が提唱された。これを用いて行う機械学習をディープラーニングという。

初期のDNNは性能がなかなか向上せずあまり注目されてこなかったが、2006年のジェフリー・ヒントン(Geoffrey E. Hinton)氏による「オートエンコーダ」の提案を突破口に劇的な飛躍を遂げた。2010年代以降は代表的な機械学習モデルとして活発に研究・開発が進み、有用なシステムの実用化や社会への実装も進展した。

ディープラーニングは画像認識(画像に何が写ってるのか検知する)において顕著な高性能を示したため画像処理分野での研究や応用が最初に注目され、画像認識や画像生成、文字認識、自動運転のためのセンサー技術などへの適用が進んだ。ディープラーニングを応用したコンピュータ囲碁やコンピュータ将棋のシステムがプロに勝利するなどのニュースを通じて一般への認知度も高まった。近年では機械翻訳音声認識、音声合成、動画生成などへの応用も進んでいる。

(2022.9.30更新)

他の用語辞典による「ディープラーニング」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「ディープラーニング」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
令7 問86
令4 問67】 ディープラーニングに関する記述として、最も適切なものはどれか。
令2秋 問4】 コンビニエンスストアを全国にチェーン展開するA社では、過去10年間にわたる各店舗の詳細な販売データが本部に蓄積されている。
令2秋 問19】 ディープラーニングを構成する技術の一つであり、人間の脳内にある神経回路を数学的なモデルで表現したものはどれか。
令1秋 問21】 ディープラーニングに関する記述として、最も適切なものはどれか。
▼ 基本情報技術者試験
令7修6 問3】 AIにおけるディープラーニングに最も関連が深いものはどれか。
令6修7 問3】 AIにおけるディープラーニングに最も関連が深いものはどれか。
令4修12 問5】 AIにおけるディープラーニングに最も関連が深いものはどれか。
令4修6 問6】 AIにおけるディープラーニングに関する記述として,最も適切なものはどれか。
令3修1 問4】 AIにおけるディープラーニングに最も関連が深いものはどれか。
令2修12 問74】 車載機器の性能の向上に関する記述のうち,ディープラーニングを用いているものはどれか。
平31修1 問74】 車載機器の性能の向上に関する記述のうち,ディープラーニングを用いているものはどれか。
平30春 問3】 AIにおけるディープラーニングの特徴はどれか。
平29秋 問74】 車載機器の性能の向上に関する記述のうち,ディープラーニングを用いているものはどれか。

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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