PS/2ポート 【PS/2 port】 PS/2コネクタ / PS/2 connector / PS/2端子
概要
PS/2ポート(PS/2 port)とは、コンピュータに周辺機器を接続するための端子の規格の一つで、米IBM社のパソコン製品「PS/2」で採用されたものが業界標準として広まったもの。1980~90年代にパソコンにマウスやキーボードを接続するための標準的な端子として広く普及していた。端子の形状は6ピンのミニDINコネクタで、本体と周辺機器の間で同期式のシリアル方式で通信できるほか、5Vで電力を供給して周辺機器を駆動することができた。端子はマザーボードの端などに設置され、筐体側面から端子だけ露出するようになっていた。
通常、マウスを接続するための端子とキーボードを接続するための端子の2つが設けられ、両者の形状は同じであるため、誤挿入を避けるため慣例的に前者は緑、後者は紫に色分けされた。端子の脇にそれぞれの機器の名称や小さな絵文字が描かれている製品もある。
PS/2ポートはいわゆるPC/AT互換機の普及とともに広まったが、1990年代後半になるとUSB(Universal Serial Bus)や無線接続のBluetoothが登場し、徐々に置き換えられて消えていった。実質的に後継規格が優勢となった後も、古い機器との互換性のためにしばらくの間はパソコン本体にPS/2ポートが用意されていた。そのような接続規格のことを過去の遺産(legacy)という意味で「レガシーインターフェース」という。
(2023.12.12更新)