パラレル 【parallel】
概要
パラレル(parallel)とは、並列(の)、平行(な)、並行(の)、同時進行の、などの意味を持つ英単語。ITの分野では「並列」の訳語に対応し、複数の処理や伝送を複数の主体で同時に実行することを指すことが多い。パラレル通信
コンピュータ内部のデータ伝送路や周辺機器との通信で、複数の信号線を用いて一度に複数ビットずつデータを送受信する通信方式を「パラレル通信」(parallel communication)あるいは「パラレル転送(伝送)」(parallel transmission)という。PCIやATA/IDE、SCSIなどがこの方式を採用している。
パラレル方式の接続端子や接続インターフェースを「パラレルポート」(parallel port)「パラレルインターフェース」(parallel interface)などと言う。
単にパラレルポートといった場合、かつてパソコンと周辺機器の接続に用いられたIEEE 1284方式の端子を指すことが多かったため、これ以外の方式を指す場合は「SCSIポート」のように規格名で呼称するのが普通である。
この文脈における対義語は「シリアル」(serial)で、単一の伝送路を用いて1ビットずつ順番に伝送する通信方式やケーブル、端子などをシリアル方式という。
並列処理
複数のマイクロプロセッサや、プロセッサ内部の複数の演算器などを用いて、複数の命令やデータを同時に計算・処理することを「パラレルプロセッシング」(parallel processing)あるいは「並列処理」という。
また、複数のコンピュータや(プロセッサとメモリなど一部の装置を組み合わせた)計算ノードなどで同様に複数のデータを同時に処理することを「パラレルコンピューティング」(parallel computing)あるいは「並列コンピューティング」という。
一方、一つのプロセッサが極めて短時間ごとに複数の命令の流れを切り替えて実行し、利用者からはあたかも複数のプログラムが同時に実行されているように見える制御方式もあるが、こちらは「並行処理」(concurrent processing:コンカレントプロセッシング)と呼ばれ区別される。