ヒューリスティック 【heuristic】 ヒューリスティクス / heuristics
概要
ヒューリスティック(heuristic)とは、発見的な(方法)、経験則(の)、試行錯誤(的な)という意味の英単語。ある程度正しいことが期待される答えを素早く導く手法のこと。ITの分野では、問題の解答を得るための方法論の一つで、常に正しいとは限らないが経験的にある程度正しい解を導けることが分かっている推論や仮定などを利用して、近似的あるいは暫定的な解を得る手法のことをヒューリスティックということが多い。
コンピュータプログラムのアルゴリズム(計算手順)などで用いられる概念で、正しい解を厳密に求めるには複雑な手順や膨大な計算が必要な場合や、既知の情報や手順では正しい解を得られない場合(新種のコンピュータウイルスの検知など)などに利用される。
広義には近似アルゴリズムの一種だが、理論的に解の精度が保証されるものを(狭義の)近似アルゴリズム、精度が保証されないものをヒューリスティックとして区別することがある。特定の問題設定に依存せず汎用的に用いることができる手法は「メタヒューリスティクス」(metaheuristics)という。
心理学の分野でも、人間が素早く判断を下すために暗黙のうちに利用している法則などのことをヒューリスティックという。人間は日常生活で出くわすありとあらゆる事物や事象について厳密な検討をするわけには行かないため、大抵の場合に当てはまる大雑把な推定を無意識のうちに行っている。そのほとんどは経験から見出される法則性であるため、ヒューリスティックは経験則とほぼ同義とされる。
(2023.3.24更新)