AES256 【256ビットAES】 AES-256
AES(Advanced Encryption Standard)は2001年に米国立標準技術研究所(NIST)が米連邦政府標準の暗号方式として策定した暗号方式で、暗号化と復号に同じ暗号鍵を用いる共通鍵暗号(秘密鍵暗号)である。最も広く普及している暗号方式の一つとして知られる。
AESでは暗号化に用いる秘密の情報である暗号鍵として128ビット、192ビット、256ビットのデータを用いることができる。鍵長が長いほど攻撃者に鍵を割り出されにくく暗号強度が高いが、暗号化や復号にはより多くの計算が必要となり、処理速度は低下する。
AES256は256ビットの暗号鍵を用いる方式で、AES規格の中で最も鍵長が長い。AESでは4つの変換処理を組み合わせた「ラウンド」という処理単位を繰り返して暗号化を行うが、128ビット鍵ではラウンドを10回繰り返すのに対して、256ビット鍵では14回繰り返す。処理負荷は重いが鍵長の長さ以上に高い安全性を確保できる。
現在のところは128ビット鍵(AES128)や192ビット鍵(AES192)でも効率的な攻撃手法は見出されておらず十分安全であるとみなされているが、将来に渡って高い安全性を確保したい用途などでAES256が選択されることがある。身近な例ではSSL/TLSやZip圧縮ファイルなどでAES256暗号化を選択できるようになっている。
(2023.12.4更新)