MPL 【Mozilla Public License】
概要
MPL(Mozilla Public License)とは、オープンソースソフトウェアを開発・配布する際によく用いられる、利用条件などを定めた利用許諾契約書(ライセンス)の一つ。Mozilla Foundation(モジラ財団)によって考案された。著作者がMPLの元に配布しているソフトウェアはソースコードが公開され、誰でも自由に入手して利用することができる。再配布や販売も可能で、自らが開発したソフトウェアの一部として組み込んで使用することも自由である。
他のライセンスに対して特徴的な点は二次的著作物の扱いで、MPLが適用されているプログラムについてはソースコードを添付して公開しなければならない一方、MPL以外のライセンスが適用されるプログラムを同じソフトウェアパッケージに同居させることができる。
これにより、例えば企業がMPLで公開されたプログラムを組み込んだ自社のソフトウェア製品を開発し、自社開発部分のプログラムはソースコードを公開せずに実行ファイルのみを提供する(オープンソース部分はパッケージ内にソースコードを添付する)といった対応が可能となっている。
こうした派生的なソフトウェア(二次的著作物)全体に同じライセンスでの公開を求める「GPL」(GNU General Public License)と、全体を非公開とすることができる「BSDライセンス」などの中間的な特徴を備えており、他のライセンスとの相互運用性に優れている。
MPLは旧ネットスケープ(Netscape)社のソフトウェア資産を引き継ぎWebブラウザなどの開発を行うMozilla Foundationが1998年に公開したもので、最新版は2012年のMPL 2.0である。FirefoxやThunderbirdなど同財団の手掛けるソフトウェアに適用されているほか、多くのオープンソースソフトウェアがMPLおよび一部を改変した派生ライセンスで配布されている。
(2024.5.13更新)