マルチライセンス 【multi-licensing】 デュアルライセンス / dual-licensing

概要

マルチライセンス(multi-licensing)とは、ソフトウェアを複数の異なる利用許諾条件(ライセンス)に基いて配布あるいは販売すること。よく見られる2つの場合を特に「デュアルライセンス」(dual-licensing)という。

ソフトウェアのプログラムを開発した著作権者が、他者にプログラムの利用条件を提示したものを「ソフトウェアライセンス」(software license)という。販売される製品に適用される商用ライセンスや、オープンソースソフトウェアに適用されるオープンソースライセンスなどの類型がある。

通常は一つのライセンスが適用されるが、開発者が二つ以上のライセンスを提示する場合があり、これをマルチライセンスという。利用形態などによって適用されるライセンスが異なる場合と、利用者が選択肢の中から自由に選べる場合がある。

利用形態などによって異なる場合、例えば、無償で利用できるが派生物のソースコードを公開しなければならないライセンスと、対価の支払によってクローズドな利用を認めるライセンスの2種類が用意される。オープンソースプロジェクトなどでは前者が適用され、企業が製品に組み込んで販売するような場合には後者が適用される。

利用者が選択できる場合、例えば、すでに存在する著名なオープンソースライセンスが複数提示され、どれを適用してもよいという形を取る。利用者は自分の開発しているソフトウェアの一部に組み込みたい場合、そのソフトウェアのライセンスに合わせて適用するライセンスを選択することができる。

(2022.5.11更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。