AGPL 【GNU Affero General Public License】
概要
AGPL(GNU Affero General Public License)とは、GNUプロジェクトがフリーソフトウェア(自由なソフトウェア)のために定めた利用許諾条件(ライセンス)の一つで、クラウドサービスのようにソフトウェアの機能をサービスとして提供する場合に適用する条件が含まれるもの。GNUプロジェクトでは開発したソフトウェアを「GPL」(GNU General Public License)というライセンスに基づいて公開しており、誰でも自由に入手や使用、改変、再頒布(販売を含む)などを行うことを認めている。
GPLでは元のソフトウェアを改変したり、自作のソフトウェアの一部に組み込んだ場合、それら派生的なソフトウェアにもGPLを適用してソースコードを公開しなければならない「コピーレフト」(copyleft)と呼ばれる考え方を採用している。
しかし、クラウドサービスなどでソフトウェアを利用者にサービスとして提供する場合、GPLで開発されたソフトウェアを利用していても、サービス提供者側が独自に修正・追加した部分についてはソースコードを公開する義務がなく、非公開の状態とすることができた。
AGPLはこのような状況に対処するもので、原著作者によってAGPLの適用が宣言されたソフトウェアをASPサービスやSaaS(Software as a Service)のような形で提供する場合、サービス事業者が派生的に開発した部分についてもAGPLに基づいて誰でもソースコードをダウンロードできるようにしなければならない。
AGPLの初版は2002年に米アフェロ(Affero)社が公開した “Affero General Public License 1.0” で、略称は現在と同じだが、まだGNUのライセンスではなかった。現在よく知られるバージョンはGNUプロジェクトを主催するFSF(Free Software Founrdation)が2007年に発表した第3版(AGPLv3)である。
(2023.6.27更新)