指名ユーザーライセンス【named user license】ネームドユーザーライセンス/ネームドライセンス
概要

主に法人向けの商用ソフトウェアやクラウドサービスで採用される方式で、購入したライセンスの数だけ利用者を指名する。識別はユーザー登録やアカウント管理システム、IDプロバイダなどの認証基盤との連携によって行われる。
登録された本人であれば、オフィスの端末や自宅のパソコン、スマートフォンなど複数の機器から利用できる契約になっていることが多い。一方、同一のアカウントや端末を他者と使い回す行為は契約違反となる。各自の設定やデータを個人単位で保持しやすい点から、近年主流のクラウド型(SaaS)ビジネスソフトウェアで広く採用されている。
対象の人物が退職や部署異動などでソフトウェアを使わなくなった場合、そのライセンスが自動的に無効になるわけではなく、管理画面などから別の人物への割り当て変更(再割り当て)で対応できる製品が多い。ただし、契約内容によってはライセンスが失効し、後任者のために新たに一人分のライセンスを購入し直さなければならない場合もある。実際の運用ではアカウントの棚卸しや監査によって利用状況が確認され、契約上の上限に基づいて追加購入や構成の見直しが行われる。利用者が固定された環境では管理しやすい一方、入れ替わりが多い職場では管理コストが増えやすい。
これに対し、利用者を特定せず、同時に使用できる人数や端末数を基準に使用許諾を与える方式を「フローティングライセンス」(floating license)や「コンカレントライセンス」(concurrent license)などと呼ぶ。ライセンスの発行状況を管理するライセンスサーバを用意し、利用者はソフトウェアの起動時にライセンスを取得し、終了時に返却する。あらかじめ契約した上限数までであれば誰がいつ使用してもよく、交代制の業務や複数人が端末を共有する環境、使用時間が限られるソフトウェアに向いている。