シュリンクラップ契約 【shrink wrap contract】
概要
シュリンクラップ契約(shrink wrap contract)とは、ソフトウェアのパッケージ製品の購入者が、プログラムの記録されたメディアの封を破いて取り出した時点で使用許諾契約に同意したものとみなす契約方式。「シュリンクラップ」(shrink wrap)とは商品の入った箱やケースに密着して全体を覆う透明なフィルムのこと。著作権法には使用権の概念がないため、ソフトウェアの開発者が利用者に使用上の条件を課すには個別に相対で契約を結ぶ必要がある。担当者と接触の機会がある企業向けの大規模製品などでは契約書を交わすことも可能だが、個人向けに販売店などに卸されるパッケージ製品などでは開発元とすべての購入者が直に書面を取り交わすのは現実的ではない。
このため、パッケージの外箱の中にメディア(DVD-ROMなど)を封入したケースと共に使用許諾契約書(EULA:End-User License Agreement)を同封し、封を解いてメディアを取り出した時点で契約条件を許諾したものとみなすとする旨の記述が行われるようになった。
このような方式が双方の合意に基づく契約の締結と言えるかどうかについては疑問を呈する法律家もいる。アメリカではシュリンクラップ契約の有効性を巡って訴訟も起こされており、有効であるとする判例がいくつか出ているが、日本ではこれを直接の争点とする判例が示されたことはない。
(2018.11.12更新)