3DES 【Triple DES】 トリプルDES / TDES / 2TDES / 3TDES
概要
3DES(Triple DES)とは、暗号方式のDES(Data Encryption Standard)の安全性を高めるために考案された処理方式の一つ。異なる2つまたは3つの暗号鍵を用いて、DESによる暗号化と復号の処理を3回繰り返すことにより解読されにくくする方式。DESは1977年に策定された共通鍵暗号の規格で、米連邦政府標準に採用されたことから米政府の調達で広く用いられ、民間や他国にも普及した。鍵長が56ビットしかないことや効率的な攻撃方法が考案されたことから1990年代にはすでに十分安全ではなくなっていたが、DESのみに対応した処理系も多かったため、応急的に安全性を高める方式として3DESが考案された。
3DESでは暗号鍵を2つ(A,B)あるいは3つ(A,B,C)用意する。最初に平文を暗号鍵AでDES暗号化し、生成された暗号文を別の鍵Bで復号処理(暗号化時と鍵が異なるため平文には戻らない)にかけ、その結果をさらに別の鍵C(鍵が2つの場合は鍵A)で暗号化する。
第2段階が復号処理となっているため、3つの鍵をすべて同一にした場合にはDESと同じ結果が得られるようになっている。異なる2つの鍵を用いる方式を「2TDES」(2-key Triple DES)、3つの鍵を用いる方式を「3TDES」(3-key Triple DES)と呼ぶこともある。DESより安全性は格段に高まるが、暗号化にも復号にも長い時間がかかる難点がある。
(2024.1.10更新)