読み方 : きょうゆうひみつ
共有秘密【shared secret】共有シークレット/シェアードシークレット
概要

暗号通信や認証では、通信の当事者や利用者と認証サーバの間で、共通の秘密データをあらかじめ保持しておく必要がある。共有秘密は通常、通信や認証を行う二者間で共有され、双方が同じ値を持つことで暗号化や本人確認が可能となる。
共有秘密の具体的な内容はシステムによって異なる。共通鍵暗号方式では暗号化と復号に同じ鍵を用いるため、その鍵(共通鍵/共有鍵)自体が共有秘密となる。認証ではパスワードやPINコードが共有秘密として機能し、利用者が入力した値とシステム側に登録された値が一致するか否かで本人確認を行う。
共有秘密を当事者間で共有する方法には大きく二つある。一つは通信を開始する前に管理者が設定するなどして事前に共有しておく「事前共有鍵方式」(PSK:Pre-Shared Key)であり、無線LANやVPNなどで用いられる。もう一つは通信開始時に公開鍵暗号やDiffie-Hellman鍵交換などのプロトコルを使い、安全に共有秘密を生成・共有する方式であり、SSL/TLSなどで採用されている。
同じ共有秘密を繰り返し使用し続けると、それ自体が漏洩しなくても、通信データの統計的な解析などから値を割り出されるリスクが高まる。そのため、現代の暗号通信では、共有秘密をそのまま送受信したり、暗号鍵として使い続けることは少ない。無線LANなどでは、共有秘密に「初期化ベクトル」(IV)と呼ばれるランダムなデータを組み合わせて演算することで、通信ごとに異なる一時的な暗号鍵を生成する仕組みが採用されている。
(2026.6.30更新)