ハイブリッド暗号 【hybrid cryptosystem】
概要
ハイブリッド暗号(hybrid cryptosystem)とは、公開鍵暗号と共通鍵暗号(秘密鍵暗号)を組み合わせた暗号方式。公開鍵暗号によって共通鍵暗号の鍵を配送し、共通鍵暗号で伝送内容本体の暗号化を行なう。Webの暗号化などで広く普及しているSSL/TLSなどで用いられている。共通鍵暗号は暗号化や復号を高速に行うことができるが、事前に安全な手段で鍵を共有する必要がある。公開鍵暗号は事前に鍵を共有しなくて良いが、暗号化や復号が遅い。このように両者は互いに相反する特徴を持っている。
ハイブリッド暗号は両者を組み合わせ、互いの長所を活かして短所を補い合う方式である。通信開始時に公開鍵暗号で共通鍵暗号の暗号鍵(あるいはその元になる共有情報)を暗号化して共有し、以降の通信には共有した鍵を元に共有鍵暗号で暗号化したデータを送受信する。
Web通信の暗号化に用いられるSSL(Secure Socket Layer)および後継のTLS(Transport Layer Security)はハイブリッド暗号となっており、接続確立時に公開鍵暗号のRSAやDiffie-Hellman鍵交換などで共有鍵の交換を行い、共有鍵暗号のAESやCamelliaを用いてコンテンツ本体の暗号化を行う。
(2024.2.14更新)