解読 【cryptanalysis】

概要

解読(cryptanalysis)とは、暗号鍵を持たない状態で暗号文を暗号化前の状態(平文)に戻すこと。暗号鍵を用いて元の状態に戻す「復号」(decryption)とは区別される。

現代のデータ暗号化では、暗号鍵などの秘密の情報を用いて平文から暗号文を生成する。この秘密の情報を入手することができれば、暗号化とは逆の計算手順で暗号文から平文を取り出すことができる。秘密の情報を用いて平文を得る操作を復号という。

一方、秘密の情報が与えられていない状況で、暗号文を解析し、元のなった平文を割り出したり、暗号化に用いた秘密の情報を割り出して復号することを解読という。広義には、特定の暗号文から平文を割り出す操作だけでなく、任意の暗号文から容易に暗号鍵平文を割り出すことができる手法を見出すことも含まれる。

どのような情報に基づいて解析を進めるかについていくつかの方法論に分かれる。暗号文のみを用いて平文を求める手法を「暗号文単独攻撃」、既に分かっている平文と対になる暗号文を用いる手法を「既知平文攻撃」、任意の平文に対して暗号文を作成できる状況で解析する手法を「選択平文攻撃」という。

(2023.6.1更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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