一方向性関数 【OWF】 One-Way Function / トラップドア関数 / trapdoor function / 落とし戸関数

概要

一方向性関数(OWF)とは、の算出は簡単にできるが、逆関数の計算は極めて困難であるような関数公開鍵暗号などに応用されている。

あるxについて何らかの計算をう関数 y=f(x) があるとき、yのから逆方向の計算をいxを求める x=g(y) という関数を逆関数という。例えば、一次関数 y=2x+4 の逆関数は x=0.5y-2 となり、関数の計算も逆関数の計算も同じように容易にうことができる。

一方向性関数は関数値の算出は簡単にできる(多項式時間で計算できる)が、逆関数の計算は非常に困難で極めて時間がかかるような関数を指す。「簡単に計算できる逆関数が存在しない」ことの証明は非常に困難であるため、数学的には一方向性関数の存在は未だ証明されていない。

とは言え、現在知られている計算法の中には効率的な算出手順が知られていない関数はいくつかあるため、これを一方向性関数とみなして暗号の算出手順の一部に組み込むことがある。例えば、同じ桁数の巨大な素数pとqを掛け合わせて巨大な整数pqを算出するのは容易だが、与えられた巨大な整数pqからpとqを特定する効率的な方法は知られていない。この原理を応用した公開鍵暗号方式を「RSA暗号」という。

(2024.5.9更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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