SHA-384 【Secure Hash Algorithm 384-bit】
概要
SHA-384(Secure Hash Algorithm 384-bit)とは、任意の長さの原文から固定長の特徴的な値を算出するハッシュ関数(要約関数)の一つ。SHA-2規格に含まれる仕様の一つで、どんな長さの原文からも384ビットのハッシュ値を算出することができる。ハッシュ関数とは
ハッシュ関数は任意の長さの入力データを元に数十バイト程度までの短い固定長のデータを算出する関数で、同じ入力値からは必ず同じ値が得られる一方、わずかでも入力値が異なるとまったく違う出力値になる。
SHA-384はいわゆる「暗号学的ハッシュ関数」の一つで、出力値には規則性がなく、計算過程に逆算困難な一方向関数を含むため、ハッシュ値から入力値を割り出したり、同じハッシュ値となる別の入力値を生成するのは容易ではない。
データの伝送や複製を行なう際、入力側と出力側でハッシュ値を求めて照合すれば同一性を簡単に確認でき、途中でデータの改竄や欠落、破損などが起こっていないことが分かる。また、暗号や認証、デジタル署名などの要素技術として様々な場面で利用されている。
SHA-256とは
SHA-384はNSA(米国家安全保障局)が考案し、2001年にNIST(米国標準技術局)によって連邦情報処理標準の一つ(FIPS 180-4)として標準化された「SHA-2」規格の一部として定義されている。最長で2の64乗-1ビットまでの任意の長さのデータから384ビット(48バイト)のハッシュ値を生成する。
SHA-2では他にハッシュ値の長さが224ビットの「SHA-224」、256ビットの「SHA-256」、512ビットの「SHA-512」などが定義されている。SHA-384はSHA-256やSHA-512と共に、多くの暗号通信規格の要素技術として採用されており、SSL/TLSのサーバ証明書などで広く利用されている。なお、後継規格のSHA-3にも384ビットの仕様が含まれており、区別するため「SHA3-384」と表記する。
(2024.5.23更新)