耐タンパー性 【tamper resistance】 タンパーレジスタンス / tamper resistant / タンパープルーフ / tamper-proof
概要
耐タンパー性(tamper resistance)とは、機器や装置、ソフトウェアなどが、外部から内部構造や記録されたデータなどを解析、読み取り、改竄されにくいようになっている状態。また、その度合いや強度。機密情報や暗号化処理などを取り扱うICチップなどが備えている。外部からの観測や解析により暗号鍵などの機密情報や情報の処理過程、プログラムなどを抜き取ったり、動作に干渉してデータやプログラムを改竄されることを防ぐために様々な防護策が施される。このような非正規な手段による解析や干渉に耐えられる強さを耐タンパー性という。
耐タンパー性を高める手法は、外部から干渉されにくいよう守りを固める方法と、干渉を受けると内部が破壊され動作や読み取りが不可能になる方法の二種類に大別される。また、ソフトウェア上の処理によって対策を講じる論理的な手法と、ハードウェアの構造や仕組みによって対策する物理的な手法に分類することもある。
ICチップなどの場合、特殊なパッケージに封入して開けると内部が破壊される仕組みにしたり、空気や光を検知して自動的に内容が消去される半導体メモリを使用したり、消費電力や処理時間の変動を観測して動作を解析されることを防ぐためにこれらを一定に保つ仕組みを導入したりといった対策がよく知られる。
ソフトウェアの場合には、プログラムを暗号化して正規の実行時のみ復号して実行するような仕組みにしたり、リバースエンジニアリングで動作を解析されにくいようプログラムを難読化したり、ハッシュ値などを利用した改竄検知の仕組みを導入したりといった手法が知られる。
(2018.7.8更新)