読み方:らんすう
乱数 【random value】 ランダム値
概要
乱数(random value)とは、サイコロの出目のように規則性がなく予測不能な数値のこと。何度も生成した時に、すでに分かっている値の列から次に現れる値を予測できないような数値の列を乱数列と呼び、その中の個々の値を乱数という。多くのプログラミング言語には乱数を生成する組み込みの関数やメソッドなどが用意されており、呼び出すたびに規則性のないランダムな数値を返す。多くの言語では0以上1未満の浮動小数点数が得られるようになっており、用途に応じて必要な形式に計算・加工して利用する。
コンピュータはその性質上、再現可能な決定論的な処理しかできず、ソフトウェアのみで完全な乱数を生成することはできない。このため、統計的に乱数と同じ性質を持つような「擬似乱数」(pseudorandom numbers)を計算によって生成している。
これは、計算方法と初期値が分かればまったく同一の数値列を再現できるため、暗号化などの用途では不都合となる場合がある。このため、センサーを内蔵して温度など外界の物理現象を測定して数値として反映させるなどの手法により、擬似的でない真の乱数を生成する半導体チップが利用される場合もある。
なお、単に乱数という場合はどの値も出現頻度が同一な、統計的に一様分布の乱数(一様乱数)のことを指すが、用途によっては、値の出現頻度が正規分布に従う正規乱数など、分布に偏りや規則性のある乱数が用いられることがある。
(2025.8.26更新)