公開鍵 【public key】 パブリックキー

概要

公開鍵(public key)とは、公開鍵暗号で使用される一対の暗号鍵のペアのうち、相手方に渡したり一般に公開する鍵。通常はデータの暗号化デジタル署名の検証に用いる。もう一方の鍵は所有者が管理して秘匿する。

公開鍵暗号では一対の対応関係にある暗号鍵のペアを用い、公開鍵で暗号化した暗号文秘密鍵でしか復号できないという仕組みになっている。通信を暗号化する場合は相手の公開鍵を入手して送信データを暗号化することにより、対になる秘密鍵を知る相手本人しか復号できないようにする。

代表的な公開鍵暗号RSA方式ではこの逆も可能で、秘密鍵暗号化(に相当する変換処理)を行い、対になる公開鍵で復号する、といった使い方もできる。このような対称性を持つ方式は珍しく、公開鍵暗号一般に見られる性質ではない。

また、メッセージを送信する際に、本文をハッシュ関数で要約した短いデータと秘密鍵、公開鍵を元に一定の手順で計算したデジタル署名を添付することにより、受信側が送信元を確認したり、改竄やすり替えを検知することができる。

公開鍵暗号を利用するには事前に相手方の公開鍵を入手しておく必要があるが、実用上は相手方との間にインターネットなど必ずしも信用できない経路を含む伝送手段しかない場合が多く、攻撃者によるすり替えなどの危険がある。

このため、送信者と受信者の双方が信頼する第三者が電子署名した特殊なメッセージによって公開鍵を運び、受信者が送信元や鍵の真正性の確認を行うことができるようにすることが多い。この公開鍵を含む署名されたメッセージをデジタル証明書電子証明書/公開鍵証明書)と呼ぶ。

(2018.6.27更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

試験出題履歴

ITパスポート試験 : 平29春 問86 平27秋 問83 平22春 問54
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。