SAML認証 【SAML authentication】

概要

SAML認証(SAML authentication)とは、システム間で利用者認証や権限に関する情報を交換するSAMLを用いてユーザー認証を行うこと。一度の認証で様々なシステムを横断的に利用できる「シングルサインオン」(SSO)の実装などに用いられる。

SAMLSecurity Assertion Markup Language)はXMLベースのデータ形式の標準の一つで、複数の互いに独立したシステムの間で、利用者の認証要求や認証の可否、利用者属性認可された権限などについての情報(「アサーション」と呼ばれる)をやり取りするためのデータ形式を定めている。

SAML認証では、利用者は自らがアカウントを保有しているシステムIdPIdentity Provider)にログインすると、連携している他のシステムSPService Provider)にもログインすることができる。利用者SPアカウントを作る必要はなく、IdPからSPパスワードなどの秘密の情報が送られることもない。

SAML認証の流れ

認証の流れにはいくつかの類型があるが、よく用いられるのは利用者SPアクセスし、SPIdPに資格情報を請求する方式である。利用者SPアクセスし、自分がアカウントを持つIdPを指定すると、SPIdPに通知を送り、利用者IdPからの確認画面を表示する。

そこで利用者IdPログインし、SPに連携を許可する操作を行えば、IdPSAMLによるアサーション情報を作成してSPに送り、利用者SPでもログイン済みの状態となる。一連の流れでIdPログインに必要なパスワードなどがSPに通知されることはなく、SPが悪意ある攻撃者であったり、攻撃を受けて情報漏洩などを起こしてもIdPアカウント情報が被害に遭うことはない。

(2024.7.19更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。