読み方 : トランザクションしょめい
トランザクション署名【transaction signature】
概要
トランザクション署名とは、オンラインバンキングなどで用いられる認証方式の一つで、振込先や金額といった取引内容に基づいて署名値を生成し、金融機関側で取引内容との整合性を検証することで改竄を検知する仕組みのこと。

利用者はあらかじめ金融機関から「ハードウェアトークン」と呼ばれる専用装置を受け取っておく。振込操作を行う際には、振込先口座や金額などの取引情報をこの装置に入力すると、その内容に対応した一回限りの署名値が表示される。
利用者はこの署名値をオンラインバンキングの画面に入力して金融機関へ送信する。金融機関側では、受信した取引内容と署名値の整合性を検証し、一致しなければ取引を拒否する。署名値はハードウェアトークンによってのみ生成できる。
近年ではスマートフォンの認証アプリを用いる方式も普及している。金融機関が画面に表示したQRコードをアプリで読み取って取引情報を取り込み、署名値を生成する仕組みも用いられており、実装方法は金融機関によって異なる。
この方式は、中間者攻撃の一種であるMITB攻撃(Man-In-The-Browser)への対策として有効である。MITB攻撃とは、利用者のコンピュータに侵入したマルウェアがWebブラウザ内で動作し、金融機関へ送信される取引情報を密かに書き換えて攻撃者の口座へ送金させようとする手口である。
トランザクション署名では、署名値が利用者の入力した取引内容に紐づいているため、送信後にマルウェアが取引内容を改竄しても、改竄後の内容と署名値の整合性が取れなくなり、金融機関側で不正を検知できる。正しい署名値を偽造するには利用者の手元にある装置を直接操作する必要があり、ネットワーク経由でのデータ改竄による不正送金は事実上不可能となる。
(2026.6.29更新)
関連用語
資格試験などの「トランザクション署名」の出題履歴
▼ 情報セキュリティマネジメント試験
【令1秋】 インターネットバンキングでのMITB攻撃による不正送金について、対策として用いられるトランザクション署名の説明はどれか。