静脈認証 【vein authentication】 手のひら認証 / 指静脈認証 / 掌認証 / 静脈パターン認証

概要

静脈認証(vein authentication)とは、人体の固有の特徴を利用して本人確認を行う生体認証(バイオメトリクス認証)の一種で、手のひらや指先の静脈のパターンを利用する方式。

手のひらや指先をセンサーにかざして赤外線などを照射し、透過した光を元に静脈の形状パターンを読み取り、あらかじめ登録された本人のものと照合して認証を行う。センサー面に手を触れない非接触方式も開発されており、衛生的に認証を行うことができる。

静脈のパターンは個人ごとの固有性が高く、一卵性双生児でも異なる形状となる。また、大きさ以外は成長や老化などに関わらず生涯ほとんど変化せず、身体内部の情報であるため不正に読み取ったり偽造するのは困難である。

指紋のようにケガや摩耗、薬品などの影響で薄れたり消えることもなく、触れたものに残った跡から複製するといったこともできない。顔や筆跡、声紋など他の生体的特徴に比べ環境や体調などの変化による条件の振れ幅も小さく、他人受入率も小さいことが知られている。

静脈認証は高精度の生体認証方式として銀行の現金自動預け払い機ATM)や入退室管理システムなどに採用され、暗証番号などと組み合わせて二段階認証を構成することもある。赤外線の照射のために専用の装置が必要なシステムがほとんどだったが、近年では可視光を用いる方式も開発されており、カメラを内蔵した一般的な携帯機器でも利用できるようになっている。

(2018.7.10更新)

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