EAP-PEAP【Protected Extensible Authentication Protocol】PEAP
概要

EAP(Extensible Authentication Protocol)はもともとPPP(Point-to-Point Protocol)の認証機能を拡張するために策定されたプロトコルで、クライアントとサーバの間でどの認証方式を用いるかを交渉し、合意した手順で認証を実施できる仕組みである。
EAP-PEAPはその方式の一つで、SSL/TLSでトランスポート層を保護し、経路上の盗聴や改竄を防ぐ。認証の流れとしては、まずサーバがデジタル証明書を提示してTLSセッションを確立し、その暗号化されたトンネル内で利用者の認証情報をやり取りする。クライアント側に証明書は不要で、既存のアカウント情報で認証を受けられるため、既存の認証基盤とも連携しやすい。
EAP-PEAPは米マイクロソフト(Microsoft)社、米RSAセキュリティ(RSA Security)社、米シスコシステムズ(Cisco Systems)社が共同開発した。内部で用いる認証方式によって実装が異なり、Microsoft製品では「MS-CHAP v2」を組み合わせる構成(MS-PEAP)が標準的で、Windows環境や多くの認証サーバ製品で広く採用されている。Cisco製品では「GTC」(Generic Token Card)などを組み合わせる構成(Cisco-PEAPまたはEAP-GTC)が用いられており、両者の間には仕様上の差異があるため、異なる開発元の製品間で運用する際には互換性の確認が必要である。
クライアント証明書を用いて相互認証を行う「EAP-TLS」と比べると、証明書の配布・管理コストが低く、企業や教育機関の無線LAN認証環境で採用されることが多い。一方、サーバ証明書の検証をクライアント側で適切に行わないと、偽の認証サーバによるなりすまし攻撃を受ける恐れがあるため、証明書の管理と端末側の設定が重要となる。