MAPI【Messaging API】
概要

MAPIを利用すると、ソフトウェアはメールの作成や送信、受信メッセージの取得、フォルダの管理、アドレス帳や連絡先情報の参照、ディレクトリサービスへのアクセスなどを統一的な方法で実行できる。利用するメールサーバやメッセージストアの違いを意識せずに各機能を呼び出せるため、電子メール機能を備えた業務アプリケーションやグループウェアとの連携にも用いられてきた。
MAPIには機能の範囲に応じて複数の仕様がある。完全版である「拡張MAPI」(Extended MAPI)は、メールボックスやフォルダ、メッセージ属性などを細かく操作できる高機能な仕様で、OutlookとExchange Server間の高度な連携や、Outlookに他社製ソフトウェアのメッセージング機能を統合する用途に利用される。簡易版の「シンプルMAPI」(Simple MAPI)はWindowsに標準で組み込まれており、外部のアプリケーションから容易にメール送信機能を呼び出す仕組みとして利用される。
LANなどのネットワーク上でMAPIに対応したクライアントとサーバが通信を行うための仕組みも定義されている。従来はRPC(Remote Procedure Call)を利用した方式が広く使われていたが、インターネットを経由した通信への最適化やセキュリティ向上のため、HTTPを経由する「MAPI over HTTP」への移行が進んだ。Microsoft 365やExchange Onlineではこの方式が標準的な接続手段となっている。
電子メールシステムの連携手段としては、SMTPやIMAP4、POP3、Exchange Web Services(EWS)、Microsoft Graphなど様々な技術も利用されている。それでもWindows向けメールクライアントや企業内システムとの互換性を保つため、MAPIはOutlookの内部機能やExchange環境との統合において、現在も中心的な技術として利用され続けている。