読み方:アルファゴ
AlphaGo
概要
AlphaGoとは、2015年にGoogle DeepMindが開発した、囲碁の対局を行うことができるプログラム。同年から2017年にかけて各国のトップ棋士を下し、人間を超えた囲碁AIと評された。基本的には、過去の人間の対局を教師データにニューラルネットワークによる深層学習(ディープラーニング)を行う機械学習システムである。ある程度強くなったら、自分自身と対局を繰り返して訓練する強化学習の手法も取り入れられた。
2014年に開発が始まり、2015年に当時の囲碁ヨーロッパ王者のファン・フイ(樊麾)氏を、2016年に韓国トップ棋士で世界戦4冠経験のあるイ・セドル(李世乭)氏を、2017年には中国トップ棋士で当時世界最強とも目された柯潔氏を破った。
当時、すでにオセロやチェスなどでは人間のチャンピオンを超えるAIが出現していたが、囲碁のような複雑で先読みの難しい競技でコンピュータが人間を上回るのはまだ当分先であろうと考えられていた。AlphaGoが人間のトップ棋士を次々に破ったことは驚きを持って受け止められ、現在に続くAIブームの端緒の一つとなった。
後に、囲碁のルールのみを教えて過去の棋譜は学習させず、ゼロから自己対局だけで訓練する「AlphaGo Zero」が開発された。このモデルは3週間で従来のAlphaGo並みに成長し、40日でAlphaGoに対して勝率9割を残すほどに強化された。さらに、この手法を応用して囲碁以外の競技にも対応できる「AlphaZero」が開発され、チェスや将棋でも従来システムを打ち負かす強さに成長した。
(2025.9.13更新)