ステガノグラフィ 【steganography】 デジタルステガノグラフィ / digital steganography

概要

ステガノグラフィ(steganography)とは、画像や動画、音声などのデータに、人間には知覚できない形式で情報を埋め込んで伝達する技術。電子透かしの元になった技術で、画像データなどの一部をわずかに改変し、一見して分からないよう情報を埋め込むことができる。

紙に果汁で書いた見えない文字が加熱すると浮かび上がる「あぶり出し」のように、そこに情報が存在するとは分からない形で情報を埋め込むことができる。暗号と同じように情報を秘匿して伝達する手法の一つで、暗号がメッセージを改変して何を伝えているのか分からないようにするのに対し、ステガノグラフィはメッセージを伝達していること自体を秘匿するために用いられる。

古来より様々な手法が政治や戦争のために用いられてきた記録が残っているが、現代ではコンピュータを用いて一定の手順でデータを改変し情報を埋め込む「デジタルステガノグラフィ」(digital steganography)のことを指すことが多い。

主な用途である通信の秘匿では、埋め込む対象の画像データなどと、埋め込むメッセージの内容はまったく無関係だが、画像などに関連する著作権情報を埋め込むという応用を行ったものを「電子透かし」(デジタルウォーターマーク)という。

(2022.4.10更新)

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