SLAAC 【Stateless Address Autoconfiguration】
概要
SLAAC(Stateless Address Autoconfiguration)とは、IPv6アドレスを自動設定する技術の一つで、アドレスを発行するサーバなどを用意しなくても当該ネットワーク内のアドレスをホスト自身が設定する方式。RFC 4862として標準化されている。ホストがネットワークに接続すると、そのネットワークと外部との境界などにあるルータにRS(Router Solicitation)メッセージを送信する。ルータは応答としてRA(Router Advertisement)メッセージを返し、64ビットのネットワーク識別子(プレフィックス)を知らせる。
ホストは自らのMACアドレスなどから生成した64ビットのインターフェース識別子と受信したプレフィックスを組み合わせて128ビットのIPv6アドレスを生成し、以降はこれを自らのアドレスとして使用する。このプロセスは接続する度に行われるため、同じホストでも切断・再接続すると別のアドレスが再設定される。
IPv6アドレスの自動設定には、DHCPサーバが空いているアドレスを管理して接続してきたホストに割り当てるDHCPv6を用いることもできるが、SLAACはサーバなどを用意しなくてもホスト単体で利用できる。
IPv4ではDHCPが無い場合の自動設定にAPIPA(AutoIP)が用いられるが、これは現在のネットワークアドレスとは無関係に決まったアドレス空間からアドレスが選ばれる。SLAACではルータからプレフィックスを取得するため、DHCP利用の場合と同様、外部との通信もできる。
(2020.10.28更新)