動的NAT 【dynamic NAT】 ダイナミックNAT
概要
動的NAT(dynamic NAT)とは、ネットワーク境界で内外のIPアドレスを対応付けて自動変換するNATのうち、アドレスの対応関係が固定されておらず、通信時に空いているアドレスを選んで動的に割り当てるもの。NAT(Network Address Translation)はインターネットと内部ネットワークなどの境界に置かれたルータなどが行なうアドレス変換で、インターネット側のグローバルIPアドレスと内部側のプライベートIPアドレスを対応付け、通過するパケットの宛先や送信元を自動的に書き換えることで透過的に通信できるようにする。
動的NATはこのアドレス間の対応付けが固定されておらず、内部から通信要求がある度に、一時的に特定のグローバルアドレスと紐付けて通信可能にする方式である。少ないグローバルアドレスで多くの機器からの通信を取り次げるが、すべての機器が同時に通信することはできず、内部にサーバを設けることもできない。
一方、アドレス間の対応付けを一対一で固定的に行い、一組のグローバルアドレスとプライベートアドレスの間で常に相互変換が行われる方式を「静的NAT」(スタティックNAT)という。グローバルアドレスが内部の特定の一台に紐付けられるため、内部でサーバなど外部から接続要求を行なう機器の運用も可能だが、内部で複数の機器が外部と通信したい場合は、同じ数だけグローバルアドレスが必要となる。
単一のグローバルアドレスで通信する家庭用のルータ製品などの中には、外部からの接続要求のみを特定のプライベートアドレスに取り次ぎ、他の通信はNAPT(IPマスカレード)で対処する「簡易DMZ機能」に対応したものがある。内部の特定の一台のみをサーバとして外部に公開することができる。
(2023.12.7更新)