ARPスプーフィング 【ARP spoofing】 ARPキャッシュポイズニング / ARP cache poisoning

概要

ARPスプーフィング(ARP spoofing)とは、LAN内でIPアドレスMACアドレスの対応付けに用いるARPの応答を偽装することにより、ネットワーク上の他の機器になりすます攻撃手法。

ARPAddress Resolution Protocol)はイーサネットEthernet)などのLAN上で、特定のIPアドレスを持つ機器の物理アドレスMACアドレス)を割り出すために用いられる標準的なプロトコル通信規約)である。

IPアドレスから対応するMACアドレスを知りたい機器は、ネットワーク上にブロードキャスト一斉配信)で当該IPアドレスの持ち主に名乗り出るよう告知するARPリクエストを送信する。通常であればIPアドレスの持ち主が自分のMACアドレスを記載したARPレスポンスを返信し、両アドレスが対応付けられる。

ARPスプーフィングでは、攻撃者の操作する機器が不正なARPレスポンスを送り返し、そのIPアドレスを自分に結びつけてしまう。以降はそのIPアドレス向けの通信が攻撃者の機器を経由することになり、内容を覗き見したり改竄できるようになる。特に、ルータIPアドレスを乗っ取ってしまえば、外部ネットワークとの間の通信をすべて経由させることができるようになる。

(2020.8.6更新)

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