静的IPマスカレード 【static IP masquerade】 静的NAPT / static Network Address Port Translation

概要

静的IPマスカレード(static IP masquerade)とは、ルータなどで行われるIPマスカレード(NAPT)のIPアドレスポート番号の対応付けを管理者が固定的に指定する機能。外部から内部の機器に向かって接続を開始することができるようになる。

NAPT/IPマスカレードインターネットと内部ネットワークを中継するルータなどが持つ中継機能の一つで、ルータの持つグローバルIPアドレスの特定のポート番号を内部側のプライベートIPアドレスポート番号のペアに対応付け、内部の複数の機器が同時にインターネットに接続できるようにする。

通常はこの対応付けはルータが自動的に行う。内部側から外部へ接続を開始するとルータが空いているポートを一つ割り当て、通信が終了(一定時間無通信が継続)すると割り当てを解除する。ポートアドレスの対応関係は動的に変化し、外部側から内部の機器へ接続を開始することはできない。

静的IPマスカレードではこの対応付けをルータの管理者が固定的に指示することができ、外部側の特定のポート番号を常に内部の特定のプライベートアドレスの特定のポート番号へ転送させるようにすることができる。一部のポートのみを静的に指定し、残りは動的に割り当てるようにすることもできる。

これにより、外部からそのポート番号通信を開始することができるため、プライベートIPアドレスしか持たない内部ネットワークコンピュータを用いてインターネットから接続できるサーバ運用したり、端末間で直に通信を行うP2P型のサービス(対戦型のオンラインゲームなど)を利用できるようになる。

(2022.4.11更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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