Amazon Web Services 【AWS】 アマゾンウェブサービス

概要

Amazon Web Services(AWS)とは、米アマゾンドットコム(Amazon.com)社が事業者向けに提供しているクラウドサービス。企業などが情報システム運用やオンラインサービスの運営のために必要とするITインフラや様々な個別の情報処理機能を、インターネットを通じてサービスとして販売している。

同社の世界規模のECサイトオンラインショップ)の運営基盤として使用しているコンピュータシステムやその機能をネットワークを通じてサービスとして従量制で提供するもので、仮想サーバなどを貸し出すIaaSInfrastructure as a Service)型、アプリケーション実行環境を提供するPaaSPlatform as a Service)型、固有の機能を持つソフトウェアを利用させるSaaS(Softwar as a Service)型のそれぞれについて様々なサービスを用意している。

最も有名なのは、同社のデータセンターで稼働するコンピュータ上に構築された仮想サーバを遠隔から操作して好きな用途に使用できる「Amazon Elastic Computing Cloud」(Amazon EC2)で、契約者は所定の仕様や性能を持つサーバを借り受け、自ら用意したオペレーティングシステムOS)やアプリケーションソフトなどを導入・運用して必要な処理をう。当初はネットサービスの提供基盤として人気が高まったが、現在では企業内の情報システムの運用基盤などとしても利用が広がっている。

他にも、オンラインストレージサービスの「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)や、リレーショナルデータベースの「Amazon Relational Database Service」(Amazon RDS)や「Amazon Aurora」(MySQL互換サービス)、NoSQLデータベース「Amazon DynamoDB」、膨大な量のデータを高速に解析・処理する「Amazon Elastic MapReduce」(Amazon EMR)、企業の情報システムなどを安全に構築運用できる「Amazon Virtural Private Cloud」(Amazon VPC)、DNSサーバ「Amazon Route 53」、負荷分散システムAmazon Elastic Load Balancing」(Amazon ELB)など、全体で数十のサービスが提供されている。

いずれもサービスとして契約している期間だけ使用することができ、原則として使用した分だけ料金を支払う従量課金制となっている。算定基準や価格はサービスごとに異なるが、仮想サーバの利用時間やサービス間のデータ転送回数、外部への送信データ量などに基づいて算出される。仮想サーバメモリ容量ストレージ容量、仮想CPUの数など設定された仕様ごとに時間単価が異なる。

他社による競合サービスとしては、米グーグルGoogle)社の「Google Cloud Platform」(GCP)や米マイクロソフトMicrosoft)社の「Microsoft Azure」、米IBM社の「IBM Cloud」など世界的なIT大手によるサービスや、特定の地域や分野で強みを持つサービス(中国アリババグループの「Alibaba Cloud」など)があるが、Amazon Web Servicesはこれらを抑えて世界的に高い市場シェアを獲得・維持しており、クラウドサービスマーケットリーダー的存在として知られる。

(2019.3.15更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
ホーム画面への追加方法
1.ブラウザの 共有ボタンのアイコン 共有ボタンをタップ
2.メニューの「ホーム画面に追加」をタップ
閉じる