シングルテナント 【single tenancy】 シングルテナンシー

概要

シングルテナント(single tenancy)とは、クラウドサービスなどで、システムソフトウェアなどを単一の利用主体のみで専有して使用するような設計・構造のこと。

ある特定の機材やソフトウェアデータベースなどを複数の顧客で共用せず、特定の顧客のみが使用できるように提供する。顧客ごとに個別に環境を用意する必要があるため導入に時間がかかり、運用コストなども高額となるケースが多い。ある程度大きな規模のシステムが必要な企業向けのサービスである。

個別に構成や設定を指定したり変更したりでき、アプリケーションデータベースなども専用に開発カスタマイズしたものを使用できる。機材なども占有できるためSLAService Level Agreement)などによるサービス水準の保証なども提供されることが多い。

近年では仮想化技術の普及により、ハードウェアは共用としながら仮想マシンVM)上にシステム構築し、OSアプリケーションはシングルテナントとして稼働させるPaaSPlatform as a Service)型のオンラインサービスも増えている。

一方、SaaSASPサービスなどで、資源を複数の利用者で共有するような設計・構造になっているシステムや、そのようなシステムを用いた事業モデルのことは「マルチテナント」(multi-tenancy/マルチテナンシー)という。

(2023.6.15更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
ホーム画面への追加方法
1.ブラウザの 共有ボタンのアイコン 共有ボタンをタップ
2.メニューの「ホーム画面に追加」をタップ
閉じる