FaaS 【Function-as-a-Service】 ファンクションアズアサービス

概要

FaaS(Function-as-a-Service)とは、クラウドサービスの一種で、クラウド事業者が運用するWebサーバ上に契約者用のスペースを作り、プログラムを配置するだけで即座に実行できるようにするもの。いわゆる「サーバーレス」型サービスの一つ。

PaaSIaaSなどのクラウドサービスでは、ハードウェア環境やオペレーティングシステム(OS)環境までは事業者側が用意するが、Webサーバソフトウェアや各種ミドルウェア、プログラミング言語の実行環境などは契約者側で整備しなければならない。自由度は高いが初期設定の手間や運用の負担が大きい。

FaaSでは大規模なWebサーバを事業者側が既に運用しており、そこに契約者がプログラムを置いて実行できる場所を提供する。契約者は手続き後に指定された場所に自作のプログラムをアップロードするだけで、すぐにインターネット上にこれを公開し、運用することができる。

契約者側ではサーバ導入などの初期設定はほとんど不要で、サーバの運用やメンテナンス、各種ソフトウェアのアップデートなどの管理業務もすべて事業者側が行ってくれるため、契約者は自作のプログラムの開発に専念することができる。

性能や容量の割り当ても完全に動的に行われるため、利用がなければ費用もかからず、突然の利用増にも瞬時に自動で対応することができる。ただし、開発に用いるプログラミング言語やデータベース管理システムなどのミドルウェア、APIなどは原則として事業者側に用意されているものしか利用できないという制約がある。

このようなサーバの運用形態・利用形態は「サーバーレスコンピューティング」(serverless computing)と呼ばれ、FaaS以外にもモバイルアプリのサーバ側機能をまとめて提供する「BaaS」(Backend-as-a-Service)などがある。

FaaS型のクラウドサービスとしては米アマゾンドットコム(Amazon.com)社の「AWS Lambda」や米マイクロソフト(Microsoft)社の「Azure Functions」、米グーグル(Google)社の「Google Cloud Functions」など大手クラウド事業者のサービスがよく知られる。

(2021.10.15更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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