アベイラビリティゾーン 【AZ】 Availability Zone / 可用性ゾーン

概要

アベイラビリティゾーン(AZ)とは、IaaSPaaSなどのクラウドサービスで、ある地域に立地するデータセンター群を一つの論理的な管理単位にまとめたもの。地域は同じだが施設は離れており、災害などに同時に被災しないようになっている。

大手クラウド事業者の運用施設は世界中の地域(都市)に置かれており、これを「リージョン」(region)という。各リージョン内に複数のアベイラビリティゾーンで構成され、各ゾーンは一つまたは複数のデータセンター施設で構成される。各ゾーンはそれぞれ完全に独立して稼働・運用することができる。

同一リージョンゾーン間は高速で低遅延の多重化された光ファイバーネットワークで相互接続されており、相互に高速にデータを伝送したり機能を補い合ったりすることができる。事業者の方針によるが、ゾーン間は概ね数kmから100km以内になるよう立地を調整することが多い。

アマゾンドットコムAmazon.com)社のAmazon Web ServicesAWS)の場合、各リージョンは「us-east-1」(米国東部・オハイオ)のように識別名コード)が与えられているが、その末尾に「a」から始まるアルファベットを付加したものが各ゾーン識別名となる。例えば、東京を表す「ap-northeast-1」リージョンは「ap-northeast-1a」から「ap-northeast-1d」までの4つ(bは利用制限あり)のゾーンに分割されている。

なお、AWSでは「アベイラビリティゾーン」、米マイクロソフトMicrosoft)社のMicrosoft Azureでは「可用性ゾーン」と呼び、英語ではどちらも “Availability Zone”(AZ)である。米グーグルGoogle)社のGoogle Cloud PlatformGCP)では単に「ゾーン」(zone)と呼ぶ。

(2024.7.30更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。