読み方 : マルチエーゼット

マルチAZ【Multi-AZ】

概要

マルチAZとはAmazon Web Services(AWS)において、同一リージョン内にある複数のアベイラビリティゾーンAZ)にシステムやデータを分散して配置する構成方式。障害発生時に別のAZへ自動的に切り替えるフェイルオーバー機能などにより、システムの可用性耐障害性を高めることができる。
マルチAZのイメージ画像

AWSの運用拠点は世界各地の主要地域ごとに設けられており、この地域区分を「リージョン」(region)という。各リージョンは、互いに数kmから数十km離れた場所に配置された複数の独立したデータセンター群から成り、この区分単位を「アベイラビリティゾーン」(AZAvailability Zone)という。各AZは独立した電源系統や冷却設備、ネットワーク回線を備えており、あるAZで障害が発生しても他のAZへの影響を抑えられる設計となっている。

マルチAZ構成では、同一リージョン内の2つ以上のAZサーバデータを分散して配置する。一方のAZで障害が発生した際には、別のAZで稼働する待機系へ自動的にフェイルオーバーし、サービスを継続する。単一のAZのみで運用する「シングルAZ」構成と比較すると、複数のAZにリソースを確保するため、同等の構成であれば概ね2倍程度のコストが生じる。

データベースサービスのAmazon RDSでは、プライマリインスタンスを一方のAZに、スタンバイインスタンスをもう一方のAZに配置し、両者の間でデータを同期レプリケーションすることで冗長化を実現する。プライマリ側で障害やメンテナンスが発生すると、スタンバイが自動的に新たなプライマリに昇格して処理を引き継ぐ。仮想サーバAmazon EC2では、ロードバランサを介して複数のAZインスタンスを分散配置し、一部のAZが停止した場合でも残りのAZで通信を維持する構成が一般的である。

なお、マルチAZはあくまで同一リージョン内での冗長化であり、異なるリージョンにシステムを分散する「マルチリージョン」(multi-region)構成とは区別される。マルチリージョンは同一リージョンの施設全体が同時に影響を受ける広域災害や大規模停電、戦争などへの備えを目的とするもので、より広い地理的範囲を対象とする。

(2026.6.15更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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