スポットインスタンス 【spot instance】
概要
スポットインスタンス(spot instance)とは、Amazon Web ServicesのAmazon EC2で利用できるインスタンスタイプの一つで、AWS側の空き資源を利用して安く提供されるもの。空きが無くなると提供が停止される。Amazon EC2の仮想マシン(VM)インスタンスの契約タイプには様々なものがあり、必要に応じて起動するオンデマンドインスタンス、長期間固定契約することで割引を受けられるリザーブドインスタンスなどが主に用いられる。
スポットインスタンスはこれらに加えて補完的に利用されるメニューで、契約先のデータセンター(アベイラビリティゾーン)の混雑具合に応じて、遊休設備を利用してインスタンスを立ち上げる。オンデマンドインスタンスに比べ最大90%の割引を受けられるが、設備の空きが無くなると2分の猶予をもってシャットダウンされ、混雑が解消するまで新規の起動もできなくなる。
利用料金は混雑度合いに応じて変動し、空いているほど低額に、設備が逼迫すると高額になる。利用者は上限額を任意に設定し、それ以上高額になるとインスタンスを起動しないよう指示することができる。上限額は標準ではオンデマンドインスタンスの料金に設定されており、通常の利用より高額になることはないよう配慮されている。
遊休設備を割安で動的に提供するメニューは他のクラウドサービスでも提供されており、米マイクロソフト(Microsoft)社のMicrosoft Azureでは「スポット仮想マシン」(Azure Spot Virtual Machines)、米グーグル(Google)社のGoogle Compute Engineでは「プリエンプティブVM」の名称で似たようなサービスが提供される。
(2021.12.10更新)