MEC 【Multi-access Edge Computing】 マルチアクセスエッジコンピューティング / Mobile Edge Computing / モバイルエッジコンピューティング
概要
MEC(Multi-access Edge Computing)とは、端末に近い場所にあるサーバで情報の集約や処理を行うエッジコンピューティングの一種で、通信事業者の移動体通信網(モバイル回線網)内にサーバを設置する方式。MECはIoT(モノのインターネット)などの実装方式などとして有力視される処理方式で、制御対象の機器やセンサーなどがネットワークを通じて近隣のサーバに情報を送信し、サーバは処理を行って結果や指示を機器に送り返す。
クラウドコンピューティングのようにインターネットを通じて遠く離れた場所にあるデータセンターに繋ぐのではなく、地理的、ネットワーク的に近い施設や設備でサーバを運用することで、遅延時間(レイテンシ)の短縮、回線コストや通信量の低減を図ることができる。
MECは5G(第5世代移動体通信)に代表されるモバイル回線を主要なアクセス手段とするエッジコンピューティング手法で、端末は通信事業者のモバイル回線にアクセスし、回線網に直結されたサーバとやり取りする。比較的広域に展開することができ、自動運転車やクラウドゲーミングなどでの利用が想定されている。
当初は「モバイルエッジコンピューティング」(mobile edge computing)という名称だったが、ローカル環境のWi-Fiや固定回線、LPWAなど多用なアクセス手段の統合を考慮して「マルチアクセスエッジコンピューティング」(multi-access edge computing)に改称された。ETSI(欧州電気通信標準化機構)などが関連技術の標準化を推進している。
(2023.10.8更新)