クラウドファースト 【cloud first policy】 クラウドバイデフォルト / cloud by default

概要

クラウドファースト(cloud first policy)とは、企業や官庁などの組織が情報システムを導入あるいは更新する際、その運用基盤としてクラウドサービスの利用を第一に検討すべきとする考え方。

独自にアプリケーション開発せず事業者が提供している既存のSaaSSoftware as a Service)を導入・利用したり、開発したシステムを事業者が提供するIaaS/PaaSInfrastructure/Platform as a Service)上で運用するシステム形態を優先的に検討することを指す。

情報システムを自社施設内に固定的に設置するオンプレミス型運用に比べ、サーバコンピュータや一部の通信設備などのシステム基盤を所有・管理する必要がなくなり、システム運用に関わる設備や人員にかかる費用の多くを利用実績に応じてサービス料を支払う変動費とすることができる。

また、固定的な設備が不要になることで新システム導入のための初期投資を抑えることができ、出来合いの環境を間借りするため運用環境構築のための準備期間を大幅に短縮することができる。

日進月歩の技術進化や年々高度化・複雑化するセキュリティ問題に対しても、自社の人員だけで対応する必要がなくなり、クラウド事業者の専門家による対応や支援を期待できる。大手事業者のクラウド環境に習熟した技術者は多く存在するため、特定のオンプレミス環境よりも人材確保が有利になる。

(2020.5.20更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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