OHCI 【Open Host Controller Interface】
概要
OHCI(Open Host Controller Interface)とは、コンピュータ内部のUSBコントローラをドライバソフトから制御するための手順を定めた仕様の一つで、USB 1.0およびUSB 1.1のために開発されたもの。USBはコンピュータ本体と周辺機器の接続などに用いられる通信規格の一つで、コンピュータにはUSBによる通信を制御するためのホストコントローラというICチップが内蔵される。これをオペレーティングシステム(OS)に組み込まれたドライバソフトから制御するためのインターフェース仕様をHCI(Host Controller Interface)という。
OHCIは1999年に米コンパック(Compaq)社(当時)、米マイクロソフト(Microsoft)社、米ナショナル・セミコンダクター(National Semiconductor)社などを中心に策定された仕様で、USB 1.x向けUSBコントローラ仕様として「UHCI」を採用した米インテル(Intel)社、台湾ビア・テクノロジーズ(VIA Technologies)社を除くほとんどのメーカーのチップセットなどに採用された。
LS(Low Speed)モード(1.5Mbps)およびFS(Full Speed)モード(12Mbps)での伝送を制御することができる。バスマスタ転送を利用できるなどコントローラチップ側の機能が豊富で、CPUの負荷が小さくドライバソフトもシンプルで済むが、チップの回路規模は大きくコストは嵩む。
ほとんどのUSB対応機器メーカーはOHCIとUHCIの両方に対応していたため、利用者がコントローラの種類を気にしなければならない状況は実際にはあまりなかった。USB 2.0以降ではコントローラの規格は統一され、USB 2.0では「EHCI」(Enhanced Host Controller Interface)が、USB 3.xでは「xHCI」(Extensible Host Controller Interface)が標準となっている。